ドキュメンタリー

ノンフィクション『凶悪』は、人間の狂気を描いた実話です!ネタバレあり

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新潮文庫から出版の「凶悪」は、実際にあった殺人事件の死刑囚からの告発により明るみに出たノンフィクションです!

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ストーリー

ジャーナリストの藤井は、上司の依頼で小菅の拘置所を訪れる。そこにはかつて数々の犯罪で逮捕され死刑を宣告されている須藤というヤクザがいた。

須藤は藤井にある告発をする。それは死刑になる前に身を綺麗にして死にたいという願望と、自分にはまだ明るみに出ていない事件が3つあるということ。そしてその首謀者は先生と呼ばれている人間であることだった。

須藤の告発の内容はこうだ。

自分は先生と呼ばれる不動産ブローカーと一緒に3つの犯罪を犯した。1つ目は先生と呼ばれる人間が金銭トラブルで殺してしまった人間を、知り合いの町工場の焼却炉で燃やしたこと。2つ目は土地を得るために島神という老人を探し出し山中に生き埋めにしたこと。3つ目は牛田という人間を家族から依頼されて急性アルコール中毒に見せかけて殺したこと。そしてこの全ての事件を裏で操っていたのが先生と呼ばれる人間であることだった。

須藤は自分だけ逮捕されるのは納得いかない。先生も逮捕されるべきだ。との恨みにより告発することを決意したらしい。そしてこの事件を取材して記事にしてほしい。と藤井に頼んできたのだった。

藤井は会社に戻り上司にかけあうも記事にする承認は得られない。だが須藤の告発を嘘とは思えない藤井は、独自で取材を開始。だんだんと事件の真相に迫っていく。

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管理人の解釈と評価

この「凶悪」は映画化もされている作品で、山田孝之やピエール瀧、リリーフランキーなど豪華キャストで作られましたね。映画版も見ましたがかなり完成度は高かったように思います。特にリリーフランキーの演技がなかなか見ごたえがありましたね。(私はピエール瀧の演技はイマイチかな?と感じました)

この物語は、2005年に実際に死刑囚となって服役していた元暴力団組長・後藤良次が、新潮の記者である宮本氏に告発をしたことから、事件が明るみにでて三上静男という殺人鬼を逮捕に至らしめた「上申書殺人事件」をそのまま描いた作品です。

実際にネットなどですぐに検索できるほどの残虐な事件で、結局は3つの事件のうち「日立市ウォッカ事件」でのみ三上は起訴されています。結果は無期懲役となりましたが、残りの2つの事件でも早く立件されることを願うばかりです。

さて、まずこの本。かなりのヘビーな内容です。私は映画をみてから原作を読むという順番でしたが、原作の先生の方が比較にならないくらいの悪党でしたね。映画ではかなりカットされていました。

特に残忍なシーンは家族の依頼を受け、牛場という老人にアルコールを無理やり飲ませて殺害するシーンです。自分の父親に死んでもらいたいと願う息子と娘と妻の心境は保険金目当てでした。一番の凶悪な人間は先生でも須藤でもなく、この家族だなと読んでいて思いましたね。私も家族に見放されて死を願われたらどんな気持ちになるんでしょうね。

犯罪ドキュメント作品ということで読んでみましたが、面白いシーンや楽しいシーンは1つもありません。むしろ人間の金に対する執着、そして残虐性が見える作品です。感受性が強い方や心臓が弱い方は読まないほうが良いかもしれません。

この事件が実話であるということ自体が、狂ってると言わざるを得ないような作品でした。

この本から生まれた名言

「まだ終わってません。奴は無期懲役です。死刑にはなっていないんです。復讐はこれからです。」    「藤井」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★☆☆☆
・人生に影響した  ☆☆☆☆☆
・感動した        ☆☆☆☆☆
・人に勧めたい   ★☆☆☆☆
・恐怖度      ★★★★★
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