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太宰治『人間失格』あらすじと内容を解説します!ネタバレあり

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太宰治氏の「人間失格」は、自らを自己肯定することができない男の、半生を描いた物語です!

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ストーリー

物語の主人公は葉蔵という男。彼は3つの手記について語りだします。この物語は太宰治自身の人生をそのまま語っています。

第1の手記では、葉蔵の幼い時の感情がテーマです。小さい時から他人の気持ちや感情を理解するということが苦手でした。さらには自分が幸せに感じることは他人も幸せに感じるのだろうか?自分は他人と同じなのか、違う人種なのか?を考えては不安になるばかりでした。

そんな僕が人と接するときにとった行動。それはわざとふざけてバカを演じるということでした。彼は道化を演じながら人間の本性や世の心理、どろどろした醜い本性が知りたかったのです。

第2の手記では、葉蔵の中学校に上がっています。彼はかなりの男前で女性からも人気がありました。しかし相変わらずおちゃらけてばかりの葉蔵。そこに葉蔵がわざとバカを演じていることを見抜く友人が現れます。その友人は竹一といい、彼は葉蔵に「えらい画家になる」と予言します。彼の画家になるという言葉を気に留めながら高校に進学する葉蔵。そこで出会った堀木という年上の先輩との出会いが葉蔵の人生を大きく変えることになります。

彼は葉蔵に女を教え、タバコや酒を教えます。そして左翼的な思想を持つ者たちとの付き合いを始めます。そしてなにより葉蔵が一番心安らぐ瞬間、それは淫売婦との時間でした。彼は日向で生きる人間よりも日陰で生きていく人間たちと接している時だけが、人間に対する恐怖を感じなくて済む時なのでした。だが、ある時実家の父親に学校に行っていないことがばれて、一人の女性と逃亡。海に入水自殺を図ります。だが死んだのは女性だけで葉蔵は生き残ってしまうのでした。

第3の手記では、葉蔵は高校を退学になっています。そして父親の知人であるヒラメという男性のもとに居候になっています(今でいう保護観察的な感じです)だが、彼は画家になるといってヒラメの家から逃亡。一度は堀木を訪ねますが、冷たくあしらわれます。だが出会った女性・シヅ子を頼り男妾生活をして過ごします。シヅ子には雑誌やマンガ業界に顔がききました。だんだんと葉蔵は漫画家として再出発をし始めます。しかしそこでも酒とたばこに溺れます。そしてとうとうシヅ子の家も飛び出してしまい、そこから数々の女性と出会い、家に転がり込むという生活を何年も繰り返します。そしてついにタバコ屋の娘である・ヨシコと結婚を決めます。葉蔵はヨシコの汚れない心と人を信じることが出来る美しさに初めて愛を知り、彼女と一緒に暮らすことを決めるのでした。

しかし、そんな二人にまたしても悲劇が訪れます。彼女が男に暴行を受けるのです。そのショックから彼は再び酒とたばこを初め、ついには薬にまで手を出してしまい・・・

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管理人の解釈と評価

「走れメロス」や「斜陽」など、様々な名作を世に送り出してきた太宰治の自伝とも言うべき作品「人間失格」

生前は芥川龍之介を師と仰ぎ、尊敬していたそうです。

幼いころから彼が抱えていた感情はいったい何だったのでしょうか?まずは父親への恐怖。仮面のしたに見える本当の顔の顔色を疑いながら生きることが、彼の心に巣くう根強いトラウマになったことは間違いないでしょう。男の子は自分の一番身近にいる男性、すなわち父親の背中を見て育ちます。そしてだんだんとその父親に近づこうとしていくものなのです。だが彼には父親はとてつもない高い壁だったのだと思います。彼は父親のようになることは出来ない人間だったのです。だが周りや父親からはそれを許してもらえない。弱くて病弱な男子は男子ではない、自分の子供かどうかもわからない。その言葉と態度が彼の人間性を作り上げてしまったのではないでしょうか?

家での居場所を失いながらも幼い自分にはどうすることもできません。そこで偽りの自分を演じるということで、自分の本当の姿を隠すことを覚えてしまったのですね。辛く苦しい毎日だったぼだと思います。だからこそ自分を偽ることのない、ありのままの自分を受け入れてくれる淫売婦や日陰人といるときが、居心地が良かったのだと思います。

彼は酒や女、そしてクスリに溺れていきます。最後には脳に異常があると診断され、「脳病院」に隔離されます。薬物依存症の患者と同じ結末ですね。そこでも彼は自分は人間失格なのだ。と悟ります。人間を信じることが出来なかった自分を再び信じられるようにしてくれたのは女性でしたね。だが再び信じられなくなる原因も女性でした。彼は常に女性に振り回される人生を歩んでいました。最後も女性を入水自殺を図ります。芥川龍之介も女性に翻弄される人生でした。

やはり天才というのは、我々が思っている以上に悩み苦しみ、そして女性にモテるのは常人が持っていない何かが女性を惹きつけるのでしょうね。羨ましいと言えば羨ましい感じもしますね(笑)

この作品は、自身の半生を描いていますが、とても内容は重いです。目を背けたくなるようなシーンも多々ありますが、本が好きな人にとっては避けて通ることは出来ない作家さんです。ぜひ心して読んでみてください!

この本から生まれた名言

「恥の多い生涯を送ってきました。」     「葉蔵」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★☆☆☆
・人生に影響した  ★★★★☆
・感動した     ★★★☆☆
・人に勧めたい   ★★★★★
・子供に読ませたい ☆☆☆☆☆

 

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-太宰治

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