マンガ

手塚治虫火の鳥シリーズ『生命編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

投稿日:

手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「生命編」は、命の尊さと人間であることの尊厳を教えてくれる物語です!

スポンサードリンク

ストーリー

物語の舞台は西暦2155年。

テレビのプロデューサーである青居は、担当している番組の視聴率の低下で悩んでいた。いくらハンターTVを放映しても人間はもう見ない。これからは人間をハンターするシーンを撮りたい。そう思った青居はTV局の会議にかけスポンサー陣を説得。そしてクローン人間を作り出す技術を持っているというアンデスの山奥の研究所にスポンサーと共に向かいます。

やっとの思いで研究所に到着するも研究所の所長はクローン人間の作製に猛反対。協力はしないと断られてしまう。だが助手で鼻のでかい猿田という人間が「鳥の顔をしたまじない師に相談すればクローン人間が作れる」と教えてくれます。

そしてその夜、猿田と青居の二人でまじない師の住む宮殿に向かいます。だがまじない師は青居の心が汚れているからダメだと、二人を追い返そうとします。なんとか食い下がる青居。そしてまじない師から出された試練もクリアし今から交渉しようという時に、ふとしたことでまじない師を怒らせてしまい、報いを受けることになってしまいます・・・。

果たしてクローン人間は作れるのか?青居プロデューサーの運命は?

スポンサードリンク

管理人の解釈と評価

この作品が発表されたのが1980年。その頃にはこの作品の内容は遠い未来の、それこそ空想の世界の話って感じでしたが、今はもう21世紀。2019年ですでにアイボやSIRIなどのAIがどんどん開発され、進化していっています。この作品の中のクローン人間というのが登場するのはもう空想の世界のお話ではなくなっているんですね。あたらめて読み返してみるとあと10年後くらいの話なんじゃないかな?って思えてきます。テレビ離れもすごいですしね。

さてこの作品で手塚先生が伝えたかったこととはなんでしょうか?

火の鳥と言えば、いつものごとく「生命」がテーマです。命の尊さや素晴らしさ、そして命を弄んだり軽んじたりする人間には、それ相応の罰が下ることになっています。そういう意味では火の鳥はまさに「罰を与える生命体」と言っても良いかもしれません。

そのような作品を書き続けている手塚先生がタイトルに堂々と「生命編」と付けるということは、よほどの深い意味があるのではないでしょうか?

この物語の中で、命を軽んじていた青居は、自分がクローン人間にされて初めて命の尊さを知ります。そして自分の考えが間違っていたことに気付き後悔し改めます。ですが街では自分が生み出したクローン人間が続々とハンターに的にされ殺されていく。しかもクローン人間はいくらでも作れるから終わりはない。それでも自分の愚かさを認めた青居は最後に自分の命をかけて自分の責任を全うします。

まさにこの青居プロデューサーの行動が、近い将来、実際に起こることを予想して、未来の誰かに向けてこの作品を描いたのではないでしょうか?そんな気がしてなりません。

この本から生まれた名言

「人間以外の生き物は正直でうたがったりしない。人間がこんな社会になってしまったのは、うたがい深いからだ。だからお金に頼るんだ」   「ジュネ」

 

管理人の評価
・読みやすい      ★★★★★
・絵の見やすさ     ★★★★★
・感動した       ★★★★★
・人に勧めたい     ★★★☆☆
・子供に読んであげたい ★☆☆☆☆

 

スポンサードリンク

-マンガ

執筆者:

関連記事

手塚治虫火の鳥シリーズ『異形編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

手塚先生氏の火の鳥シリーズ「異形編」は、因果応報から逃れられない時空空間に閉じ込められた物語です! ストーリー 物語の舞台は鎌倉~平安時代(たぶん・・・) 左近介という若者は可平という付き人を連れて琵 …

手塚治虫火の鳥シリーズ『鳳凰編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「鳳凰編」は、片目・片腕を失った我王の波乱に満ちた人生を描いた物語です! ストーリー 物語の舞台は奈良時代。主人公は2人。一人は大和の仏師・茜丸。そしてもう一人は犯罪者の我王 …

手塚治虫火の鳥シリーズ『未来編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

手塚治虫氏の「火の鳥」シリーズ第2弾「未来編」は、なんと2作目にして火の鳥シリーズの最終章でした! ストーリー 物語の舞台は西暦35世紀。地上はもう人間が住めるところではなくなっていて、人々は地下に街 …

手塚治虫火の鳥シリーズ『復活編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「復活編」は、科学の力で生き返った人間の心の葛藤を描いた物語です! ストーリー 物語の舞台は西暦2482年。 ●レオナ編・一人の青年が空を飛んでいるクルマから転落死しました。 …

手塚治虫火の鳥シリーズ『宇宙編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「宇宙編」は、読む人に恐怖を与える終わりのないストーリーです! ストーリー 物語の舞台は西暦2577年の宇宙空間です。 宇宙調査隊の5人(城之内・猿田・奇崎・牧村・そして唯一 …

スポンサードリンク





読書中にちょっと一息