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手塚治虫火の鳥シリーズ『宇宙編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

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手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「宇宙編」は、読む人に恐怖を与える終わりのないストーリーです!

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ストーリー

物語の舞台は西暦2577年の宇宙空間です。

宇宙調査隊の5人(城之内・猿田・奇崎・牧村・そして唯一の女性隊員ナナ)はオリオン座付近の星雲で隕石と衝突してしまう。その衝撃で眠っていた隊員全員が目覚める。その時の監視役でパイロット役は牧村だった。だが牧村はすでにミイラになって死んでいた。

衝突時の破損は思ったよりひどくとても修復できる状態ではなかった。牧村の死体を残して4人はそれぞれ救命カプセルで宇宙船から脱出します。脱出後、全員の無事を無線で確認した隊長の城之内は、ある告白をする。それは牧村の死体のそばに書かれていた「僕は殺される」という言葉のことだった。牧村は殺されたのではないか?と全員を疑いだしたのだ。

一人一人に事実を確認する城之内隊長。だが誰も殺したとは認めない。そんな時死んだはずの牧村用の救命カプセルが4人の後をつけてきていることに気が付きます。

牧村はなぜミイラになって死んでいたのか?なぜ牧村は殺されるという言葉を残したのか?そしてカプセルには誰が乗っているのか・・・

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管理人の解釈と評価

とにかく未来編と同じくスケールのでかさにただただ驚くばかりの作品ですね。個人的には火の鳥シリーズで1番好きな作品です。

まず誰も幸せにならない。まぁどのシリーズもほとんどそうなのですが、この作品は特にひどい。最初の登場人物5人のうち始まって1人はすでに死んでいて2人は宇宙船から脱出しただけであとは何もしないで死んでしまいますからね(正確には宇宙を彷徨っているのだろう)

そしてこの5人の役目。ペテルギウス第3惑星ザルツから太陽系第3惑星地球に資料を運ぶだけ。それにかかる時間は622年。気の遠くなるような年月をたった5人で宇宙船で代わりばんこに眠りながら過ごしていく。その役目で一生を終えるなんて、どんなにつまらない人生か。私なら逃亡しますね(笑)

そして未来編と似ている部分。それは「死ねないからだ」ということ。未来編のマサトは人類が誕生するまで地球を見届けるという役目を火の鳥から命じられたために何十億年も生きることになる。最後には肉体は消滅して空気のような存在になっても意識は残り、ただ人類は再び誕生するのを見届ける。だがマサトには希望がある。それは人類が誕生すれば死ねるのだ。だがこの宇宙編の牧村は違う!絶対に死ねないのだ。年老いては若返り、若返っては年を取り・・・。それを永久的に繰り返すのだ。なぜか?それはかつて宇宙のある星の人間を大量虐殺したことによる宇宙人の復讐でした。

読んだ時は正直ゾッとしました。もうトラウマレベルですね。火の鳥からとんでもない罰を与えられていたんです。これには当時小学生の僕は、親が傍にいないと読めないくらい恐怖でした。やっぱり悪いことをすると天罰って下るんだなと幼い心に刻まされました。

そしてさらに怖いのが猿田への仕打ち。子々孫々まで醜い顔を受け継ぎ、子孫は宇宙を彷徨い満たされない旅をつづけるでしょう。なんて・・・。確かに猿田は牧村を殺そうとしたけど、それにしちゃあ罰が重すぎるような気がしました。

今でもたまに読み返しますが、やっぱり他の作品と比べても断トツで怖いです。子供は意味がわかる年齢になったら一人では読めないでしょうね。

この本から生まれた名言

「はるか宇宙の果て・・・もう二度とさがしだせない銀河のかたすみに流刑星があって、そこには、永久に閉じこめられたナナの姿が嵐の中にゆれていることだろう。われわれの罪を一手にうけて・・・」   「超生命体」

 

管理人の評価
・読みやすい      ★★★★★
・絵の見やすさ     ★★★★★
・感動した       ★☆☆☆☆
・人に勧めたい     ★★★★★
・子供に読んであげたい ★☆☆☆☆
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