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手塚治虫火の鳥シリーズ『羽衣編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

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手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「羽衣編」は、全40ページしかない歌舞伎風の物語です!

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ストーリー

物語の舞台は遠州三保の浜。

羽衣をまとった天女が空から降りてきて、海のあまりの美しさに大事な羽衣を待つの枝にかけて海水浴を始めます。そこに通りかかった風来坊のズク。彼は羽衣を奪って質屋に売ろうとします。それを必死で止める天女。その時ズクは3年間一緒に住んでくれたら羽衣を返すと約束する。そして天女はズクと暮らし始めるのだった。

そして3年後、カワイイ娘も生まれて天女は迷っていました。このままこの世界にいたい。ズクと娘と一緒に暮らしていきたい。でも帰らなければ・・・。そんな葛藤の中、ズクに徴兵命令が下る。サムライに召集されるのだ。なんとか抵抗するズク。だが相手も勅命だと言って引き下がらない。やむなく天女は自分の羽衣を差し出す代わりに、ズクを見逃してほしいと頼んでしまうのだった・・・。

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管理人の解釈と評価

この「羽衣編」で私が感じた手塚先生からのメッセージは「戦争の無意味さと悲惨さ」でした。

手塚先生はご自身が戦争を体験されています。戦争の無意味さや悲惨さは十分に理解されています。なのでこの「羽衣編」では、そこをターゲットに絞って書かれたのではないか?と思っています。

もちろん、この「羽衣編」以外にも「黎明編」や「未来編」などで繰り返し戦争の悲惨さを訴えかけていますが、ここでも強く訴えかけています。

そしてこの作品のポイント、それは火の鳥が出てこないというところですね。いや正確には天女の話の中には登場するんですが、今回は脇役といった感じですね。

ストーリーの一番の見どころは、天女が差し出した羽衣をズクが取り返しにいってしまうところですね。個人的な見解になりますが羽衣を差し出してそれで終わってるのに、ズクが勇敢にも取り戻しに行く。もしそこでズクが殺されたら、何のために羽衣を差し出したんだよ!と見ながら怒ってましたね。ぼくは。結局そのままズクは帰らず、天女と娘を置き去りにして1年の行方不明・・・。諦めて天女が娘を連れて去ってしまうと、ズクが帰ってくる・・・。なんと切ないストーリーでしょうか。まさに戦争に出ていった夫の帰りを待つ妻のやりきれない思いがそのまま描かれています。

とても悲しくなる物語です・・・。

そして最後の1ページのあの絵・・・。恐怖しかありません。ですが感動の物語です。

この本から生まれた名言

「ズクも苫屋もくちはてつ、ただのちの世に羽衣の、むかし語りぞ伝えける」   「語り手」

 

管理人の評価
・読みやすい      ★★★★★
・絵の見やすさ     ★★★★★
・感動した       ★★★★★
・人に勧めたい     ★★★☆☆
・子供に読んであげたい ★★★★★
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