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手塚治虫火の鳥シリーズ『鳳凰編』を読んで。あらすじ・解説・ネタバレあり!

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手塚治虫氏の火の鳥シリーズ「鳳凰編」は、片目・片腕を失った我王の波乱に満ちた人生を描いた物語です!

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ストーリー

物語の舞台は奈良時代。主人公は2人。一人は大和の仏師・茜丸。そしてもう一人は犯罪者の我王です。

生まれてからすぐに片目と片腕を失った我王は、村でも化け物扱いされていて、苛められていました。そして近所の力自慢と力比べをして勝って食べ物をもらう。だがその食べ物を母親に与えた時に泥をかけられ逆上。泥をかけた男を殺し逃亡する。そしてさらに別の子供も殺した我王はついに村を追われてしまう。だが逃げる途中で腕についたテントウムシは助けるというような心優しい面も持っていた。

なんとか村から逃げた我王は近くで焚火にあたっている男に出会う。その男がもう一人の主人公・茜丸だった。

人を殺して自暴自棄になっていた我王は、その茜丸の両腕を見て気に入らねえと右腕を切りつけて逃走する。そしてこのケガがもとで茜丸も右腕が使えなくなってしまうのだった。

そして月日は経ち、左手一本でまだ彫り師を続けている茜丸と、仲間に裏切られ唯一の味方であった速魚も失った我王に運命ともいうべき出会いが訪れる。

我王は犯罪人ながら恩赦を受ける代わりに、全国を旅して周る良弁僧正と行動を共にすることに。そして茜丸は都の権力者・橘諸兄に呼び出され「鳳凰」を彫ってほしいとの依頼を受けるのだった。

我王は全国を僧正と共にまわりながら命とは?を学び続ける。そして茜丸はいまだ見たことのない「鳳凰」を彫るために全国を周って情報を集める。そして二人は劇的な再会を果たすのだが・・・。

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管理人の解釈と評価

火の鳥シリーズの中で唯一、この作品だけがファミコンのゲームにもなりましたね。小さい時はメッチャやりましたよ。「我王の冒険」というタイトルでした。確かアクションゲームだったと思います。

本作では、醜い片目の男で人を殺すことになんのためらいのない、まさに鬼畜のような我王ですが、なぜゲームでは主人公になっているのか?それはこの本を読めばわかると思いますが、我王はどんどん変わっていくんです。最初は人の命など虫けら程度にしか考えていない我王が、良弁僧正と全国を旅するうちに、ある時は人を助け、ある時はお礼を言われ、だんだんと人間として成長していき、物語の最後には茜丸よりも我王が善人のようになるわけです。そんな理由から我王が主人公でゲームは開発されたのではないでしょうか?(最後は両腕が無くなってみるも無残な姿になってしまいますが・・・)

対する茜丸。最初はこの茜丸に感情移入をする人が多いと思います。だが次第に権力者と交わるにつれて傲慢になり、地位や名声のためだけに彫るようになってしまいます。そして最後は我王に負けるわけですが、ここでも我王を吊るし上げ自分の負けを正当化して都から追い出すという非道にでます。だがちゃんと神様は見ています。最後は茜丸は仏殿の中で焼死してしまいます。そして二度と人間に生まれ変わることは無いと火の鳥から告げられるわけです。悲惨ですね・・・。

この作品は火の鳥シリーズの中でも、特に火の鳥の登場が少ない作品ですね。今までは火の鳥の生き血が欲しい!とか永遠の命を手に入れたい!とかで火の鳥の命を狙うシーンが多かったのですが、この作品に限り登場はちょこっとです。まあそれでも非常に重要な登場ではありますが・・・。

この作品は、どんな人間でもやりなおせる!という手塚先生からのメッセージが込められているとともに、世の中に対する怒りや憎しみを本作を通して伝えたかったのではないでしょうか?

しかし、それでも最後の一コマ(我王が両手を失いながら太陽を見上げるシーン)で、やはり世界は美しい。人生は美しい。と言いたかったのだと思います。

この本から生まれた名言

「生きる?死ぬ?それが何だというのだ。宇宙の中に人生などいっさいの無だ!ちっぽけなごみなのだ!」   「我王」

 

管理人の評価
・読みやすい      ★★★★☆
・絵の見やすさ     ★★★★★
・感動した       ★★★★★
・人に勧めたい     ★★★★★
・子供に読んであげたい ★★★☆☆
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