短編作品集

『奇談蒐集家』不思議な体験求む!奇妙な短編集です!(ネタバレあり)

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太田忠司氏の「奇談蒐集家」は、不可思議な謎を解き明かしていく、ちょっと変わった推理小説です!

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ストーリー

人が体験した奇妙な話を集めるのが大好きな「奇談蒐集家」の恵美酒とその助手・氷坂。二人が経営するバー「ストロベリー・ヒル」に、今日も自分の体験した奇妙な話を買ってもらおうと客が訪れる。

第1話・自分の影に刺された男

教育委員会の学校保健課に勤めている仁藤は、幼いころから気が弱く臆病な男だった。彼はあるときから自分の影が増えていくことに気づいた。夜道を歩いていると外灯に照らされる自分の影の数が8つもあることに気付き、そのうちに襲ってくるのでは?とおびえていたのだ。医者には急性アルコール中毒と診断されたのだが・・・。

第2話・古道具屋の姫君

大学で国文学の教授をしている矢来は、まだ貧乏な苦学生の頃に、通りかかった古道具屋で人形のような10代の美しい少女と出会った。だが実はその少女はかつて不幸にも自害した姫君だという。そしてその姫君が映し出されたという鏡を買って帰るのだが・・・。

第3話・不器用な魔術師

美味しいベルモットを飲みながら、一人の女性恵美酒に話をし出した。フランスに渡り夢をかなえようとしたが、恋人と別れ絶望のどん底にいた時に出会った一人の魔術師。彼は女性にある奇跡を見せてくれました。それは奇跡以上の超能力と呼べるべき力でした・・・。

第4話・水色の魔人

草間という男が小学6年生の時に起こった話。当時、隣町に現れた「水色の魔人」という誘拐犯。探偵を気取っていた僕と友人2人は、この魔人を捕まえようとするが、突然と姿を消してしまう。そして誘拐された少女は殺害されていた。まさに奇談だ!と恵美酒は喜ぶが、助手の氷坂はあるカラクリに気付いていた。

第5話・冬薔薇の館

今回のお話は鈴木智子という女性が高校生の時の話。たまたまいつもと違うバス停で降りた智子は、庭一面に薔薇が咲き誇る豪邸に招かれて入っていった。中はとても素敵だった。そこで出会った男性に、一生ここで二人で過ごしてほしい。と頼まれるが、智子は断って家に帰る。だがどうしてもその館が忘れられず・・・。

第6話・金眼銀眼邪眼

大樹という11歳の小学生の奇談。家の近くにあるキリン公園で一匹の猫にあう。その猫は右目が青色、左目が金色という不思議な猫だった。そして飼い主にもあった。ナイコという変わった名前の男でサングラスをしていた。どうしてサングラスをしているの?と聞くと、彼は「僕が見つめた人はみんな死ぬから」と言い出した。

第7話・すべては奇談のために

あるジャーナリストの話。第1話の仁藤や第2話の矢来などを通じて、これまでの奇妙な出来事を取材してきた男が、やっと本当の奇談に気付く。それは「ストロベリー・ヒル」のオーナーである、恵美酒と氷坂の存在そのものであった。

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管理人の解釈と評価

本屋の店頭に並んでいて、とても興味をそそられるタイトルだったので、買ってみました。まさに「世にも奇妙な物語」的な感じで面白かったです。テレビ化されれば人気出るのではないでしょうか?

話の舞台がバーというもの良いです。相手には毎回違った酒をふるまうが、自分はいつもスコッチにこだわっている恵美酒が、まさにバーテンダーといった感じで良いですね。二人で飲みながら話しているシーンが目に浮かぶようです。

また曲者の氷坂。いつもこいつが謎解き役でいっつも否定する。で、淡々と話しだして、相手は納得。恵美酒はただうなずくだけ。みたいな名探偵コナンみたいですよね?短編集としてはお気に入りの一冊です。ただ後半はちょっと・・・というかかなり強引な話のつけかたが目立って、納得できない部分もありますが・・・。

個人的なおすすめは「水色の魔人」

この話だけホラーでした。内容がかなり濃く、読み終わったあとはゾッとしましたね。(主役の草間が可哀そう・・・むしろ悲惨・・・)

この本から生まれた名言

「あのとき、館に行っていたら、あなたには別の人生が待っていた。それは夢のような人生だったでしょうよ。」    「冬薔薇の館」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★★
・人生に影響した  ★☆☆☆☆
・感動した        ★★☆☆☆
・人に勧めたい   ★★★★☆
・恐怖度      ★★★☆☆

 

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