ホラー小説 井上夢人

井上夢人『あわせ鏡に飛び込んで』は落とし穴ばかりの驚愕の短編集です!

投稿日:

井上夢人氏の「あわせ鏡に飛び込んで」は江戸川乱歩賞を受賞した作家の、全10話の短編集でした!

スポンサードリンク

ストーリー

第1話・あなたをはなさない

別れ話をしている最中に、美代子は右手を差し出してきた。それが罠とはしらず握り返した僕は後悔した。右手が美代子の左手から離れないのだ。彼女は「別れるなんていや」といい、瞬間接着剤で自分の右手と僕の右手をくっつけてしまった。

第2話・ノックを待ちながら

自分の妻が他の男を家に連れ込む姿を、信一は息をひそめて見ていた。やがて二人はもつれあいベッドにいき、さあ始まるかという時に、妻は何かの薬を男に飲ませようとし出した。この不倫劇が仕組まれたものだということもしらずに・・・。

第3話・サンセット通りの天使

FBIから追われている主人公のシュルマンは、ある木箱を利用して、今の居場所からの逃亡を計画していた。計画は順調に進んでいたが、そこにある女性が自分と同じ理由で待ち構えていた。

第4話・空き部屋あります

終始、目に見えないヘヤボッコと呼ばれる家主と共に共存している様を語る、大家さんの会話で物語が終わる、ちょっと変わった物語。

第5話・千載一遇

自分が警備員として働いているビルに、1億円以上もの現金が運び込まれると聞いた史郎は、その金を盗む計画を立てる。だが決行当日、同僚の楠本に襲われた。彼も俺と同じことを企んでいたのだ。だがもみ合っているうちに楠本を殺してしまう。

第6話・私は死なない

名倉と松山は、ついに絶対死なないという薬品を発見した。この画期的な発見に二人は満足げ。そして名倉はその薬品を自分自身で試してみるといい、その薬を自分の体に注入した。

第7話・ジェイとアイとJI

僕はあることを思いついた。それは二台のパソコンにゲームを対戦させることだった。そしてプログラミングをし、自動的に二台がチェスをさせることに成功する。だが段々とその考えは幻想の世界に入りこんでいき・・・。

第8話・あわせ鏡に飛び込んで

城所病院の院長でエリートの城所優一は、ずっと口説いていた女から画家のパーティーに誘われてやむなく参加する。主催者は天沼という男。彼の妻は自分の病院で亡くなっていた。パーティーの最中、天沼に誘われて彼のアトリエに行くと、合わせ鏡と3人の人間が書かれた絵を見せられた。優一はその3人全てを知っていた・・・。

第9話・さよならの転送

伸也は三角関係にあった真紀からの留守電を聴き、ショックを受けた。自分ではなく友人の秀暁を取るというのだ。伸也はこの留守電を転送して秀暁に聞かせた。すると翌日、秀暁は自殺していた・・・。

第10話・書かれなかった手紙

こちらも風変わりな作品。物語は全て手紙の朗読で終わる。お互いがお互いに宛てた手紙を読むだけの物語だが、実はこの手紙自体にカラクリがあった。

スポンサードリンク

管理人の解釈と評価

個性的なホラーというか、ちょっと変わった作品も収録されている本ですね。井上夢人さんの作品はこの1冊しか読んでいませんが、とても面白かったです。

内容的には「世にも奇妙な物語」みたいな話が多く、さらっと読んでしまうと思います。ホラーありミステリーありの、まさに初心者向けの短編集といっていいかもしれません。

個人的なおすすめは「千載一遇」ですね。

ありきたりな話のようですが、構成がしっかりしてます。閉じ込められて外でセメントをこねる音が聞こえてきたら、僕なら死を覚悟しますね。(まぁそれでも暴れるだろうけど・・・)

全般的に、完成度の高い作品なので、どの話も楽しめると思います。

この本から生まれた名言

「これは砂糖なのだから。絶対に、これは砂糖なのだから」    「ノックを待ちながら」  より

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★★
・人生に影響した  ★☆☆☆☆
・感動した        ★★☆☆☆
・人に勧めたい   ★★★★☆
・恐怖度      ★★★★★

 

スポンサードリンク

-ホラー小説, 井上夢人

執筆者:

関連記事

道尾秀介『鬼の跫音』を読んで。予想外の終局に恐怖が止まらない?(ネタバレあり)

道尾秀介氏の『鬼の跫音』は、読む者をうならせる衝撃のラストが待っています。ベストホラー小説です! ストーリー カラスの親指で日本推理作家協会賞を受賞した道尾さんの、短編ホラー小説です。全6話が全て驚愕 …

山田悠介『あそこの席』を読んで。恐怖を感じた本でした(ネタバレあり)

山田悠介氏の「あそこの席」は、呪いの席に座ってしまった新入生の悲劇を描いた作品です! ストーリー 転入生の瀬戸加奈は、クラス全員の冷たい視線を感じた。加奈が座ったのは「呪いの席」だったのだ。かつてその …

石田衣良『PRIDE』池袋ウエストゲートパークを読んで。解説・あらすじ・ネタバレあり!

石田衣良氏の「PRIDE」池袋ウェストゲートパークは、現代の若者へのメッセージが込められている作品でした! ストーリー 第1話・データBOXの蜘蛛 松永という男がマコトに助けを求めてきた。携帯電話を落 …

百田尚樹『モンスター』を読んで。あらすじ&ネタバレを紹介!恐怖のホラー小説!

百田尚樹氏の「モンスター」は、整形手術で美貌を手に入れた女の、成功と執念を描いた物語です! ストーリー 瀬戸内海に面した小さな田舎町に住んでいた田淵和子は、生まれ持っての醜悪な顔がとても嫌いだった。 …

真梨幸子『殺人鬼フジコの衝動』を読んで。詳しく解説します。(ネタバレあり)

衝動の話題作「殺人鬼フジコの衝動」は、一人の女性が殺人鬼になるまでの生い立ちを描いた、戦慄のミステリーです。 ストーリー 高津区一家惨殺事件で父と母と妹を失ったフジコという女性が主人公。 彼女は事件の …

スポンサードリンク





読書中にちょっと一息