ミステリー 森村誠一

森村誠一『雪の絶唱』は情念をテーマにしたミステリー短編集です!(ネタバレあり)

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森村誠一氏の「雪の絶唱」は、全6編からなる短編ミステリー集です!

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ストーリー

第1話・雪の絶唱

不倫相手の房子から妊娠3ヶ月との話を聞いて、戸惑う船越。彼にはちゃんとした妻もいて別れる気はない。だが房子はどうしても生むと言って聞かない。そこで船越はこの不倫の全てを清算すべく、房子と二人で飛騨高山に旅行に行くことにした。そこで何とか説得し、先に帰京する船越。だがその後、房子の死体が発見された。

第2話・喪中欠礼

奥村高樹は今年で55歳。もうあとはゆっくりと定年を迎えるだけの年齢になった。毎年、年賀状を整理していると送り主に知らない人がいることに気が付く。そしてその山岡義典さんという人から今年は年賀状が来なかった。調べてみると、山岡さんは去年亡くなっていることを知らされた奥村は、一体どんな関係の人だったかを探ってみることにした。

第3話・祖母・為女の犯罪

福原為は98歳という年齢で亡くなった。葬儀は遠縁の者から身近な親族まで一同に集められて行われた。福原健介は祖母である為に育てられた。彼にはいつも厳しい為の記憶しかなかったが、ふとしたことで思い出したことがあった。それは為が自分にずっと隠し続けてきた、ある一つの嘘のことだった・・・。

第4話・花刑

賭けマージャンの負けを払うために、軽い気持ちで借りたサラ金からの借金が1年後には500万円に膨れ上がっていた。どうにもならない俺は顔なじみの金貸しである、後藤松という婆さんを襲って金を奪う計画を立てる。そして決行当日、婆さんの家に行くと婆さんはすでに何者かに殺されたあとだった・・・。

第5話・連鎖寄生眷属

ひょんなことから我が家に居候することになった、梨本ウメという老婆。家の前で倒れていたのを助けてあげたことから、面倒をみることになってしまったのだ。最初は謙虚だったこのウメは次第に本性を現してきて、この家を乗っ取りはじめた。

第6話・神の怒色

真下実はある日、自分の銀行の残高が126円になっていることに気付いた。先週までは500万円の預金があったのに・・・。そしてあろうことか真下はキャッシュカードを紛失していることに気付く。誰かに全額を不正に引き出されたのだ。絶望する真下。だが、彼はそのキャッシュカードを使った身代金詐欺があることをしって・・・。

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管理人の解釈と評価

短編集としては完成度の高い傑作集だと思います。森村誠一ワールドが全開の「雪の絶唱」や、意外な形から犯人逮捕につながる「花刑」などは、一気に読んでしまうほどの興奮度でした。

この本のテーマは「情念」ですね。人間の思いや恨みとよぶもの、または執念とも呼べる「情念」が起こす様々なストーリーがとても面白かったです。

個人的なおすすめは「花刑」です。

ネタバレですが、まず、サラ金からお金は借りないようにしましょう。そして年老いた女性ほど怨念が強い生き物はないな、と恐怖した作品でした。

この本から生まれた名言

「サラ金は麻薬である。いったん取り憑いたら速やかに人間の精神を破壊する。」    「花刑」より

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★☆
・人生に影響した  ★☆☆☆☆
・感動した(トリックに)  ★★★☆☆
・人に勧めたい   ★★★☆☆
・恐怖度      ★★★★☆
■ミステリー評価  
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-ミステリー, 森村誠一

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