サスペンス 宮部みゆき

宮部みゆき『地下街の雨』を読んで。サスペンスも交じった七つの短編集です!(ネタバレあり)

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宮部みゆき氏の「地下街の雨」は、都会で生きる人間たちの夢と幻想の物語です!

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ストーリー

第1話・地下街の雨

結婚式のわずか2週間前に婚約破棄された麻子。職場結婚の予定だったから仕事も辞めてしまった。廃人状態のまま引きこもっていたがいい加減働けと親に言われてしぶしぶ喫茶店でアルバイトをすることに。そこに突然現れた一人の女性。彼女も実は自分と同じような境遇にあった。

第2話・決して見えない

終電を逃した三宅悦郎はタクシーを待っていた。最近は良く帰る方角が一緒だと相乗りをして帰るときがある。そうすればタクシー料金は半分で済む。今回もそうしようと思い、後ろで同じようにタクシーを待っていた60代くらいの男性と相乗りをしたのだが・・・。

第3話・不文律

〈埠頭から死のダイビング、一家四人車ごと海中へ、無理心中の疑い〉このニュースに対して、様々な関係者がこの無理心中の家族の話をしていく物語。なぜ片瀬一家はそんなことをしたのか?そもそも自殺なのか?事故なのか?

第4話・混線

いつも決まった時間に妹にかかってくるいたずら電話。ある日、一度懲らしめてやろうと僕が受話器を取ると、向こうから聞こえてきたのは、怒り狂った男性の声。お前には俺の話を聞く義務があるとかなんとか・・・。そこで俺はその男にいたずら電話をする男の話をしてやることにした。

第5話・勝ち逃げ

全くの疎遠になっていた、母方の叔母・勝子おばさんが亡くなったという連絡を受けて、川越市に向かった。お通夜のときに久しぶりに会う親戚のおじさんにからかわれていると、「あのー」といきなり60代くらいの男性が話しかけてきた。彼はあるマンションを探しているようだが・・。

第6話・ムクロバラ

仕事仕事の毎日で気の休まる暇もないデカ長。最近はストレスでよく胃が痛むこともある。そんな彼のもとにいつもの男がやってくる。彼は橋場といい、正当防衛で人を刺し殺してしまった男だ。彼は頭がおかしくなったようで、定期的に新聞の切り抜きを持ってきては「ムクロバラがまた殺しましたよ。これはムクロバラの仕業ですよ」と言って早く逮捕するように促してくる。でもそこには〈ムクロバラ〉という人物は存在しないのだった。〈ムクロバラ〉とはいったい何なのか?

第7話・さよなら、キリハラさん

家族5人で暮らしている我が家はいつも騒々しい。TVなんかも毎日4台は点いている。ここに電話の音や家のチャイム、電子レンジの音も入れたら合唱会だ。ある日、会社の飲み会で遅くなり酔っぱらって家に帰ると、全ての音が無くなっていた。私の耳がおかしくなったのか?だが翌日の朝には元通り。そして後日、今度は私だけじゃなく、家族全員の音が消えていたのだ・・・。

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管理人の解釈と評価

宮部みゆきさんらしいミステリー短編集ですね。中にはホラーのような作品もありますが、ミステリー作家として有名なのでカテゴリーはミステリーにしています。

長編小説では「火車」や「理由」などが有名ですよね。しかし短編集にはまた違った魅力があるんです。それはオールマイティー作家ということです。

ミステリー以外にも、ホラーやサスペンス、ファンタジーのようなものまでこなせるわけです。それが宮部みゆきさんのスゴイところでしょう。

本作はそのような全てのジャンルが短編で収録されている、まさに一挙七得本なのです!通常の短編ものでは物足りないという人は、ぜひ手に取ってみてくださいね。

個人的なおすすめは「不文律」です。

全編が他人の会話のみで終わる物語。死んだ本人や犯人などは一切出てこない、ちょっと風変わりな作品ですが、読み応えのある作品ですよ。

この本から生まれた名言

「アキラ、なんで死んじゃったのかな?」    「不文律・片瀬明の同級生・三好健司の独り言」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★☆
・人生に影響した  ★☆☆☆☆
・感動した(トリックに)   ★★☆☆☆
・人に勧めたい   ★★★☆☆
・恐怖度      ★★★☆☆

 

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-サスペンス, 宮部みゆき

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