ホラー小説 道尾秀介

道尾秀介『鬼の跫音』を読んで。予想外の終局に恐怖が止まらない?(ネタバレあり)

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道尾秀介氏の『鬼の跫音』は、読む者をうならせる衝撃のラストが待っています。ベストホラー小説です!

ストーリー

カラスの親指で日本推理作家協会賞を受賞した道尾さんの、短編ホラー小説です。全6話が全て驚愕のラストへとつながっています。

第1話・鈴虫

妻の杏子の元カレ(S)を崖から突き落として埋めた過去を持つ私は、袋谷という刑事から尋問されていた。自分は死体を埋めただけ。他には何もない。偽装は完璧なはずだった。だが現場から私の身分証が見つかって・・・。事件の現場にいたのは鈴虫だけだったのに・・・。

第2話・犭(ケモノ)

高校生である僕は、成績も悪く受験勉強にも集中できない。ある日ふとしたことから祖母の部屋の椅子の足に、何かのメッセージのような落書きがあることに気付く。そのメッセージはかつて刑務所で作られたものであり作った人間は猟奇殺人犯だった。

第3話・よいぎつね

(S)という同級生が企画した計画。それは学生時代に友人4人で一人の女性を犯すということだった。だが結果は行き過ぎた行為の果てに、その女性を殺害してしまう。しかし過去にフラッシュバックした私はいきなり後ろから襲われ、気が付くと土の中に埋められていた。

第4話・箱詰めの文字

作家の家に一人の青年が訪ねてくる。ドアを開けるといきなり謝罪しだした。なんと2月前に泥棒に入ったことを謝罪しに来たというのだ。ところが作家は何も盗まれていない。何の話か分からない作家。ところがその青年はかつて作家が作品を盗んだ友人の弟だと言い出した。

第5話・冬の鬼

美しかった娘が、ある火事によって醜く焼きただれてしまった。ところが(S)の言葉により、私はある決断をする。そしてその願いは叶った。娘は旦那の瞳に映る自分の顔が嫌なために旦那にあることをしたのだった。

第6話・悪意の顔

いじめられっ子の私は、いつも(S)にいじめられていた。ある日、近所の古い民家から自分を見ている女性に出会う。「あなたを助けてあげる」そういうと彼女は私を家に招き入れた。そして彼女は魔法のキャンバスを持っていてそこに(S)を閉じ込めてあげると言い出した。

管理人の解釈と評価

道尾秀介さんの短編ホラー小説ですね。あの有名な「カラスの親指」の作者でもあります。(映画化されましたもんね)

私の中では、今までのどの作家とも違う新しいジャンルの作家だと思っています。話の内容はもちろんですが、恐怖シーンの描き方や心な刺さるセリフなどが読んだ後も恐怖の余韻に浸れる書き方をしていて、フツーのホラー小説では物足りない方にはおススメの作家さんですね。

さてこの「鬼の跫音」は全5話の短編集ですが、どれも完成度は高いです。その全てがバッドエンド(私はバッドエンド好きなので・・・)な内容で、無駄なところが一切なく、一気読み間違いなしですね。

ただやはり言葉のチョイスや書き方が独特で、なんか頭の良い人向けの作品って感じでした。そういった意味では読みやすさは東野圭吾さんや木下半太さんのほうが読みやすいではありますね。

ただ恐怖度はとても高いです。このような短編小説でここまで人に恐怖感を与えて終わる内容を書ける道尾さんは、やはりすごいな~と改めて思いました。

個人的なおすすめは「悪意の顔」

読み進めていき、どこで転がるのかとおもいきや、最後の1ページで全てがわかる。まさに道尾秀介ワールドの真骨頂の作品です!

この本から生まれた名言

「私たちの心は壊れてなんかいない」    「冬の鬼」 より

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★☆
・人生に影響した  ★☆☆☆☆
・感動した     ★☆☆☆☆
・人に勧めたい   ★★★★☆
・恐怖度      ★★★★★

-ホラー小説, 道尾秀介

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