ミステリー 東野圭吾

東野圭吾加賀恭一郎シリーズ『赤い指』は、私が久しぶりに涙した作品です。(ネタバレあり)

投稿日:2019-02-20 更新日:

東野圭吾氏の「赤い指」は、久しぶりに涙を流した、本当の家族の絆とは何か?を教えてくれる作品です。直木賞受賞後の第一作!

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ストーリー

中小企業に勤務する前原昭夫は、妻・八重子からの連絡を受けてすぐに帰宅する。電話の内容は「中学生の息子の直己が小学二年生の女の子を殺してしまったの」だった。

急いで家に帰ると、家のベランダに幼い女の子の死体が。そして息子の部屋に上がると息子は部屋でゲームをしていた。問いただすと知らない女の子で首を絞めて殺したという。だが本人は「俺は未成年だから罪には問われない。親が悪いんだ!」と全く自分の罪を認めようとしない。昭夫は一旦は警察に連絡することも考えるが、妻の八重子からの懇願と、一人息子の可愛さからこの殺人劇を隠蔽しようと試みる。そしてあろうことか少女の遺体を公園のトイレに隠すという所業にでたのだった。

この少女の死体はすぐに発見される。そして捜査の指揮をとるのが加賀刑事だった。彼は前原家に聞き込みに来た時に、この事件に前原家が関係していることに気付く。そして次々と証拠を見つけていき、ついに前原家を追い詰めることになるのだが、逃げられないと悟った昭夫と八重子は、人間としてあるまじき行為に出たのだった・・・。

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管理人の解釈と評価

私は、この作品を東野圭吾氏の最高傑作と呼んでいます。年老いた母親。そして子供がいる父親には、この話は心に響くどころではありませんでした。

最初にこの作品を知ったのはDVDでした。私の兄がTSUTAYAで借りてきたのを見てしまい(普段は本から読むのですが・・・)感動で涙が止まりませんでした。

自分の母親に罪を着せる。しかも認知症だから情状酌量の余地があるだろう。なんて計算までしてしまう夫。それに協力する妻。ただ一人真実を知っていて何とか自分のとろうとしている行動に気付いてほしい母親。そしてまったくの無関係を通す息子。この作品で唯一のまともな人間は母親だけです。

しかもその認知症ですら演技だったなんて・・・。母親の強さと愛情の深さがわかる作品でした。

そしてもう一つ物語があります。それは加賀刑事の父親も入院しているのですが、息子である恭一郎は一度もお見舞いに行きません。ここにもこの物語の深い部分が見えてきます。加賀恭一郎とはそういう人間なのか?その真実がこの作品で分かることでしょう。

この作品のポイントは、読んでいるこちら側が犯人がわかっているというところですね。従来の東野圭吾氏の作品とは見ごたえが違うのはそのせいもあるでしょう。

私はこの作品が森村誠一氏の「人間の照明」・松本清張氏の「砂の器」に勝るとも劣らない作品である!と絶賛します。

まだ読まれていない方は、ぜひ読んでみてください!

この本から生まれた名言

「この家には隠されている真実がある。それはこの家の中で、彼等自身の手で明かされなければならない」    「加賀恭一郎」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★☆
・人生に影響した  ★★★★☆
・感動した     ★★★★★
・人に勧めたい   ★★★★★
・恐怖度      ★★★★☆
■ミステリー評価  A
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