ミステリー 東野圭吾

東野圭吾『あの頃の誰か』は名作「秘密」の原型となった短編ミステリーです。

投稿日:2019-02-12 更新日:

東野圭吾の「あの頃の誰か」は、自分に巻き起こるかもしれなかった誰かの物語です。

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ストーリー

全8話の短編ミステリー。話の舞台がまだバブルの頃の設定というのもポイントも一つですね。

第1話・シャレードがいっぱい

英語とフランス語の通訳の仕事をしている弥生は、スポーツクラブで泳ぎながら恋人である北沢と待ち合わせをしていた。しかし約束の時間になっても現れない北沢に嫌気がさした弥生は、北沢の職場まで行きフロントの人間に別れるための手紙を書いて渡しといてほしいとお願いすると、今日は出勤していませんとの回答が。不審に思った弥生は北沢のマンションに向かい合鍵で部屋に入る。するとそこには北沢が倒れて死んでいた。

第2話・レイコと玲子

浅野葉子は仕事が終わってやっとの思いで家の駐車場につくと、見知らぬ若い娘が駐車場の傍で座っていた。そとは大雨が降っている。恐る恐る話しかけると、なんとその娘は記憶喪失で家も居場所も無いと言う。仕方なく葉子は彼女を家に入れて紅茶をふるまうことにした。時を同じくして、ある公衆電話の中に死体があることをタクシー運転手が見つける。胸を刃物で付かれて絶命していた。

第3話・再生魔術の女

根岸峰和と妻の千鶴の間には、なかなか子供ができなかった。そこで二人はある人物を通して養子をもらうことにした。半年後、その人物から連絡を受けてようやく待望の男の子を養子にもらうことができた。だがそれには峰和にある重大な条件が課せられていた。

第4話・さよなら「お父さん」

TVの野球中継を見ていた平介は、緊急速報のテロップを見て愕然とする。ある飛行機が着陸に失敗して炎上。生死不明の人多数・・・。その飛行機に妻と娘が乗っていたのだ。その事故で妻は亡くなったが、幸いにも娘の加奈江は一命をとりとめた。だが意識不明の状態が続き、やがて目を覚ました加奈江が、自分は妻の暢子だと言い出した。

第5話・名探偵退場

かつては名探偵と呼ばれ、数々の捜査に協力し解決してきたアンソニーと助手のマーク。今では過去の事件を思い出して感傷に浸っていた。そんな2人のもとに久しぶりに捜査依頼が来る。頭脳明晰なアンソニーはいつもの調子で謎を解き、事件の関係者を集めて謎解きを始める。だがそこで突然と意識を失いその場に倒れこんでしまった。

第6話・女も虎も

真之介はある殿様の妾に手を出してしまった。この国では殿様の妾に手を出した男は、2つの扉のどちらかを選ぶという罰が下される。1つの扉には美しい女が、もう1つの扉には人食い虎が待ち受けているという。だが今回は異例の3つの扉が用意された。もちろん3つ目の扉の向こうは何が待っているかは誰も知らない。この3分の1の罰に迷っていると、自分が手を出した妾は実は凄い性悪女だったことを知る。そしてその女は3つ目の扉を選ぶ様に促してきた。

第7話・眠りたい死にたくない

憧れの先輩であるユカリさんから食事に誘われた筒井は、気が付いたら激しい眠気とともに、ある場所に捕らわれていた。最後の記憶がユカリさんとイタリアンレストランで食事をして、帰るとこまでは覚えていたのだが・・・。段々と記憶を蘇らせると、ある事件がきっかけで自分は捕らわれているのではないか?と気付き始める。

第8話・二十年目の約束

「子供は作らない」。その条件とともに照彦と結婚した亜沙子。だが亜沙子は海外での生活や激しいストレスにより自殺を図ってしまう。亜沙子はだんだん子供が欲しいと思うようになっていたのだ。だが照彦の考えは変わらない。そこで2人は一度日本に帰国することに。すると照彦は亜沙子を置いてかつての故郷である山梨に向かう。亜沙子は照彦のあとを尾行する。すると照彦は友人とともにあるお墓にやってきて墓参りをし出した。

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管理人の解釈と評価

ミステリーの第一人者である東野圭吾氏の短編小説。一応ミステリーなのですが、中にいくつか笑えるような話も収録されています。

相変わらず東野圭吾さんの本は、読みやすくてわかりやすくて、万人にウケる書き方をする作家だな~。と感心しますね。

どの作品も登場人物も少なく、わかりやすい描写が描かれているので、軽い気持ちでさらっと読めることでしょう。

第4話の「さよならお父さん」はどこかで聞いたことがあるあらすじだとお気づきの方!そうです。この「さよならお父さん」はあの「秘密」の原型となった話です。なんでも東野圭吾氏がこの「さよならお父さん」があまり納得のいった作品ではなかったらしく。改めて長編ミステリーとして書き直したのが「秘密」ですね。世の名何が評価を受けるかわからないものです(笑)

個人的なおススメは「再生魔術の女」ですね。男女が一つの場所で淡々と話をしているシーンが目に浮かびます。そして高齢の女性が中年の男性を追い詰めていくシーンは読んでいて、ドキドキものです。ぜひ読んでみてください。

この本から生まれた名言

「もしあなたが犯人なら、あの子を育てるがいい。自分の子供なんだから愛せるはずよ。」    「再生魔術の女」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★★
・人生に影響した  ★★☆☆☆
・感動した     ★★★☆☆
・人に勧めたい   ★★★★☆
・恐怖度      ★★★☆☆
■ミステリー評価 C

 

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-ミステリー, 東野圭吾

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