サスペンス 木下半太

木下半太『D町怪奇物語』を読んでみました。詳しく解説します。(ネタバレあり)

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木下半太氏の「D町怪奇物語」は、悪夢シリーズとは全く違う、世にも奇妙な物語的な短編集でした。

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ストーリー

この本の作者である、木下半太氏が実際に体験したような話をホラー小説風にアレンジして書かれています。まぁほとんどがフィクションだとは思いますが・・・。

地元、大阪のD町という場所でバーを経営している主人公の周りに起こる怪奇な現象を、全13話にして書かれています。主人公の私は全話に出てきます。

第1話・ベランダの女

バーの常連客の一人F君から相談を受ける。家に帰るとベランダにコンビニの弁当の食べかけがあり、付け爪が落ちていたというのだ。自分の留守中に知らない女が部屋に入ってきているのではないか?と感じたF君は、今日一緒に家に来て泊まってほしいと言い出した。

第2話・ときめき過ぎる男

アルバイトのR君はある日、露天商から怪しげな陶器のマグカップを買ってきた。とてもお気に入りらしく、バイト先のバーでもそのカップでクランベリージュースを飲むほどだった。だがそのカップを手に入れてから次々と偶然とは思えない事件が立て続けに起こりだした。

第3話・真夏の妊婦

バーの斜め前にあるコンビニの前に、炎天下の中ずっと立ちつくして何かをつぶやいている妊婦がいた。あまりにも長い時間そこに立っているので、気になった私は勇気を出して話しかけてみた。するとどうやらそのコンビニの店長を待っているらしいのだが・・・。

4話・おれ、ひところしてん

バーのカウンターには二人の男性客がいた。一人は赤ワインを、一人はシングルモルトを飲んでいた。おつまみのチーズを切っているといきなり「おれ、ひところしてん」と小さくつぶやく声が聞こえた。だが二人とも気付いていない。間違いなくどちらかがつぶやいたのだが・・・。

第5話・廃墟の三面鏡

常連客のA子は売れない漫画家。ある日久しぶりに受けた原稿の依頼で「廃墟」をテーマにしようと決めたA子は、知り合いと二人で本当の廃墟の旅館に肝試しをしてみることに。するとそこにはボロボロになった三面鏡が置かれていた。

第6話・魔物

とてつもなく暇なある日、常連のKさんとSさんと私の三人は、一つのサイコロを使って賭けをし出した。茶碗の中で順番にサイコロを振り、出た目の数だけ歩いていくというものだった。三人はすぐにお店を出て大通りまで来たところである異変に気付く。

第7話・真夜中の怪談大会

常連客のJさんとB君、そしてCさんの3人から、今から怪談話をするから誰の話が一番怖かったか審査してくれと頼まれた。全員の話を聞いてから私はCさんの話が一番怖かったと判断した。しかしその後、私はB君の話に違和感があることに気付いた。

第8話・押し売りマジシャン

2流マジシャンと呼ぶにふさわしい男、N村さんはバーで手品を見せては客に怪しい健康食品を売りつける困ったお客さんだった。ある日N村さんはとっておきのマジックを見せるから10万円はらってほしいと言い出した。そして私の前に置かれたのは1枚のDVDだった。

第9話・黒いスカート

常連客の一人、O田さんは先日金縛りにあったと言い出した。それも毎晩金縛りにあうという。そして床を引きずられてキッチンまで運ばれるらしい。怖くてしかたがないO田さんは、私に金縛りにあう様子を見て欲しい。とお願いしだした。

第10話・夫婦幽霊

バンドマンのY君は、事故物件に住むというバイトを始めるが1日で挫折してしまう。家で作曲をしていたら変な夫婦の声が録音されていたというのだ。私も一緒にこのテープを聞いてみた。たしかに夫婦の会話が録音されていた。しかし内容が「どうセックスレスを解消するか?」だった。

第11話・うしろを見るな

小学生の頃、友人3人と同じ家庭教師に勉強を教えてもらっていた私は、ある日、全員で良い点をとったから家庭教師にキャンプに連れて行ってもらえることになったのだが・・・。

第12話・カウンターの復讐屋

バーの端っこを指定席にしている男。かれの職業は「復讐屋」だった。彼のもとに3人の依頼者が訪れる。若いキャバ嬢風の女の子、金髪で身体の大きなヤクザ、赤縁メガネをかけたセレブ風の女性。それぞれに復讐したい相手がいるらしい。ところが彼は何とこの3人の依頼者に、それぞれの復讐したい相手を結び付けだしたのだ!

第13話・シンデレラと死神

明け方のファミレスで執筆活動をしていた私に、一人の女性が話しかけてきた。「ヴィヴィ」と名乗るその女性は、今度ディナーに招待してほしいという。数日後待ち合わせのバーに行くと、彼女はまるで別人のようなドレス姿で立っていた。

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管理人の解釈と評価

1つ1つの話が15~20ページ前後で、とても読みやすいですね。ホラーやミステリーに慣れていない人も一気に読んでしまうでしょう。

ここに書かれている話が、作者である木下半太氏の実体験かどうかは置いといて、なかなか面白い作品だと思います。

まあ小説版の世にも奇妙な物語といったところですね。怖い幽霊話もあれば、コメディー話もあり、移動中の短時間などに読めば楽しめると思います。

個人的なおすすめは「カウンターの復讐屋」ですね。

木下半太氏らしい作品で、悪夢シリーズを彷彿とさせるような内容でした。

この本から生まれた名言

「俺は何も取り柄のない人間だから、直接は何も変えられない。でも少しだけ、他人の運命のレールは変えることができる」     「復讐屋」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★★
・人生に影響した  ★★☆☆☆
・感動した     ★★☆☆☆
・人に勧めたい   ★★★☆☆
・恐怖度      ★★★★☆

 

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-サスペンス, 木下半太

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