ホラー小説 真梨幸子

真梨幸子『殺人鬼フジコの衝動』を読んで。詳しく解説します。(ネタバレあり)

投稿日:2019-01-30 更新日:

衝動の話題作「殺人鬼フジコの衝動」は、一人の女性が殺人鬼になるまでの生い立ちを描いた、戦慄のミステリーです。

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ストーリー

高津区一家惨殺事件で父と母と妹を失ったフジコという女性が主人公。

彼女は事件のあと、母方の叔母である下田茂子に引き取られます。この下田茂子はあるカルト宗教教団の人間でした。そしてこのカルト宗教教団の中に小坂初代という友人がいます。そしてその小坂の娘の恵美とフジコは同級生でした。

ある日、恵美はフジコが学校で飼っていたカナリヤをハサミでバラバラにして焼却炉に捨てているのを目にします。

恵美はフジコを諫めますが、フジコは「バレなければ何やったっていい」と言って恵美を殺害します。そこからフジコの殺人鬼としての人生がスタートします。

その後、高校1年生で当時交際していた大学生の裕也との間に子供が出来て結婚。美波という娘を生みます。

しかしその後、裕也が友人である杏奈と浮気をしていることを知ったフジコは杏奈を殺害。その死体を裕也と共謀して隠すことにする。

そして2人で秘密を共有しながら、娘の美波と3人で暮らし始めます。ところが生活は苦しく、昼は保険のセールスレディ、夜はスナックでバイト、さらには身体を売ることをしながら美波を育てるフジコ。しかしまたも裕也の浮気が発覚し、今度は裕也を殺害。さらに娘である美波も育児放棄の末死なせてしまいます。

裕也と美波を失ったフジコは、整形手術を繰り返し別人になり新しい人生を歩み出したのですが、神様はそれを許しませんでした。フジコを待っていたのは更なる殺人と絶望の日々だったのです・・・。

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管理人の解釈と評価

ふう~っとため息が出るくらい、重くて苦しい本ですね。やっとの思いでこの記事を書いています。

まず、主人公であるフジコですが、殺しすぎ!次々と簡単に殺していきます。そしてその描写がとてもグロくて読んでいて気分が悪くなるシーンもいくつかありましたね。

私はこの手の本は結構読みなれているのでそうでもなかったですが、慣れていない人は、ちょくちょく休みながら読んだ方が良いかもしれませんね。それくらいリアルに描かれています。

この作品はドラマ化もされており、そちらもなかなか見ごたえがありましたが、小説のほうがフジコの感情の起伏の激しさや、妄想シーンなどがリアルに描かれていて、おススメできます。

本自体は会話部分が多いぶん感情が入りやすいというか、目をつむるとそのシーンが現れるようで興奮できます。気持ちが悪いのにぐんぐん読み進められるこの本は、まさに真梨さんの傑作中の傑作と言ってよいでしょう。

この本から生まれた名言

「バレなきゃいいのよ。バレなきゃ「悪いこと」じゃないんだから!」    「フジコ」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★★☆
・人生に影響した  ★★☆☆☆
・感動した     ★☆☆☆☆
・人に勧めたい   ★★☆☆☆
・恐怖度      ★★★★☆

 

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-ホラー小説, 真梨幸子

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