哲学書

ゲーテ『ファウスト』を読んで、人生をやり直した気分になってみた。わかりやすく解説します。

投稿日:2019-01-14 更新日:

ドイツ・フランクフルト出身の小説家・ゲーテがその生涯をかけて描いた代表作。ゲーテは他にも『若きウェルテルの悩み』や『色彩論』がある。

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ストーリー

第一部

老いた学者のファウストは、ドクトルの称号をもらい弟子たちは大喜びをしていた。(ドクトルの称号とは選ばれた者のみに与えられる栄誉ある位)

だがファウストは少しも満足していなかった。どれだけの知識を得てもどのような称号を手にしても、本当に知りたいこと、宇宙を統べる真理、生命を動かす神秘の正体を知ることはできずにいたからだった。

ある日、人生に絶望したファウストは自殺を試みるが、そこにメフィストという悪魔が現れてファウストと契約を試みる。

その契約とは『貴様の奴隷となって広い世界の全てを体験させてやる。ただしファウストが人生の最高の瞬間を体験し「美しい時間よ止まれ」と口にしたら、その瞬間にファウストの魂をもらう』というものだった。

メフィストと契約を交わしたファウストは、20代まで若返り、人生を再びやり直し始める。そしてマルガレーテという女性に恋をする。彼女には病気の母がいたが、逢い引きするために母親に睡眠薬を飲ませてファウストと逢う。しかしその薬の量が原因で母親は死んでしまいます。

怒ったマルガレーテの兄バレンタインは、ファウストに決闘を申し込むがメフィストの力により自らが死ぬ羽目になってしまう。

母と兄の二人を失ったマルガレーテは発狂し、自分の子(ファウストの子供)を殺し、ついには死刑囚となってしまう。

そのことを知ったファウストは、なんとか彼女を助け出そうとするが、彼女自身が助けを拒む。そして自ら死を選ぶのだった。

第二部

マルガレーテの死後、全てに絶望したファウストは、アルプスの山で生気を養う。そして生気を養ったファウストは、『天地創造が神々の専売特許でないことを示す』と称して街に降り立つ。

そして当時財政難であったローマ帝国を、新たな金融システムの導入を皇帝に進言する。そして魔法の力で戦争に勝利したファウストは東海岸の土地が欲しいと申し出てその土地を得ることに成功する。

そしてその土地の開拓を懸命に行い、数年で大きな町にすることに成功するのである。

だがその開拓の途中で、ある老夫婦を殺してしまい、彼はその代償として両目の視力を失うのであった。

そして目の見えない彼は、一つの勘違いをしてしまう。自分が死後に入る予定の墓を建設中の音を、仲間の為に働くという最高の幸せを予感して、ある言葉を発してしまう。

その瞬間、メフィストの顔が微笑みに変わるのであった・・・。

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管理人の解釈と評価

う~ん。とても難しい本ですね。久しぶりに頭が痛くなりました・・・。

ストーリー自体はシンプルだと思います。一人の男性が若返ることを条件に悪魔に魂を売り渡す。そして悪魔の力を借りていろいろやっていくが、最後には魂をとられてしまう。という感じですよね。

この本でゲーテが伝えたかったことは、『全ての人間に神の救いの手は差し伸べられている』ということではないでしょうか?

自分の欲求(宇宙の真理や生命の神秘を悟りたいという欲求)の為に、悪魔と契約して、再び人生を歩みだすという行為は、キリスト教の考えからしても決して許されることではありません。

ですが、ファウストは最後は自らの欲求を忘れ、人々の発展に感動して、あの言葉を口にしてしまうのです。人間として大きく変わった結果だと思います。

そして最後(ネタバレになるので書きません)は、意外な人の救いの手が待っています。このことが『どんな人間にも救いの手は差し伸べられている』というキリスト教の教えに基づいて伝えたかったことなのではないでしょうか?

読んでいて、話があっちこっちにブレたりせず、常にファウストを中心に物語は進んでいくので、これからこの手の小説を読んでみようかな?と思っている人には、オススメできるかもしれません。

ただ悪魔とか、魔法とか、フィクション色が強すぎて、感情移入が出来なかったというか、自分に置き換えて読めなかった作品なんですよね。私は・・・。

好き嫌いだとは思いますが、西洋文学が得意な方はとても面白いと思います。

同じドイツの小説家ニーチェの作品よりは、読みやすくてわかりやすいかもしれません

この本で生まれた名言

時よ止まれ、汝は美しい   「ファウスト」

 

管理人の評価
・読みやすい    ★★★☆☆
・人生に影響した  ★★☆☆☆
・感動した     ★★☆☆☆
・人に勧めたい   ★★★☆☆
・子供に読ませたい ★★☆☆☆
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